ぶんしょうのれんしゅう

あーもうわかったよ、あうとぷっとすればいんでしょ

信頼に足る情報だと言うための方法論

今の今まで政治には無関心だった。一時期、「もうおとなになったので政治や経済についてちゃんとわかるようになっておきたいな」そう思って日経新聞朝日新聞を購読していたことはあったが、それも頓挫してしまった。 

政治に期待しても無駄だ。そんなことよりも技術で解決できることのほうがたくさんある。技術的なインパクトで世の中を動かしていく方が性に合っているし、合理的だ。そんな考えからか、政治や経済に関する知識は諦めて収集することもなくなっていった。

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しかし、最近になってサマータイムの導入が検討されているというニュースがITエンジニア界隈では専らの話題だ。経験の浅い若手エンジニアの自分でもわかる。これは割に合わないコストを払うことになるなぁと。それはある程度タイムゾーンや時間についての某かの開発に携わったことがあるからだ。もっと言えば、自分がエンジニアであるからだ。

しかし、政治家の人はどうだろう。わからなくて当たり前だ。わかられてたまるかと。それは畑が違うのでしょうがないとして、しかし事実としてはこのサマータイム対応が割に合わないコストを払うことになるのだ。ここでその分野の知見がない政治家がたどるべき思考とはどんなものなのだろうか。

まずは自分で情報収集して調べてみるべきである。しかし専門家になるわけではないので、時刻の変更がどんな仕組みで行われているのかを詳細に知ることはその人の仕事ではないだろう。unixtimeがうんぬんは理解してくれなくていい。IT以外にも様々な国策・法律を扱う中でITに全振りするのは賢明ではない。

と、情報収集では技術の論理性がわからないのでどう調べればいいか。そうなると論理そのものの正当性というよりかは、「この人が、この会社が、言っているんだから確かなのだろう。」というソースの正当性を当てにするよりほかない。

ではそのソースの正当性はどうやって計ればいいのか。

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最近sagawaのフィッシングサイトが流行ったときにNHKがその対策として周知した愚策がトレンドマイクロの監修の策だったというのは記憶に新しい。

トレンドマイクロがこのIT界隈ではまあ糞という烙印を押されているというのは自分もこの件で知った。しかしこの件以前もトレンドマイクロ名前は聞いたことがあった気がするし、そこそこ有名でちゃんとしている企業の体をなしていると見えた。ちゃんと調べてみると、東証一部上場企業で、従業員数5,970名、売上高1,488億1,100万円。IT素人がこんな企業をどうやって「胡散臭い適当なことを言う、IT界隈ではダメ認定されている企業」だと言い切ることができようか。

NHKの記者がこの会社に監修を依頼するのはだめなことなのか。NHK記者がITリテラシーもっと高くあれよというのはそれはそうかもしれないが、専門はITではなく報道である記者に多くのことを期待するのはいかがなものかとも思う。自分ではわからないのでその道に詳しい人に監修をお願いする。これは真摯な態度ではないか。

結果としてトレンドマイクロに監修させたのは悪手だったとして、では、何をもとに監修する企業ないし人を選べばよかったのか。その方法論を知りたい。

例えば自分が記者になったとして食品についての報道をする必要があり、自分にはその知見がないので、企業に監修をお願いしたいと考える。このときにどういう方法論で企業選定をすればいいのか。

歴史も長く、上場しているし、従業員数も多くいて、売上も充分にある「味の素」に監修をお願いするとする。このとき食品メーカー界隈では味の素は実際には技術的な部分では全然ダメだという暗黙の認識があったとして、いかにしてそれに気づくことができようか?IT系ならまだいい。いろんな人が情報発信をしているからたくさん情報がある。しかしその他の業界ではそもそものそういったクチコミ情報や実情などが出回ってないことも多くあるのではないか。そんな中で信頼に足る根拠とは一体何なんだろうか。

トレンドマイクロがクソなことに、トレンドマイクロがクソということを知らない状態からどうやってたどり着けるか。その一般化できる方法論を知る必要がある。

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なぜ自分は今トレンドマイクロが糞だと思っているのか。それは会社の先輩複数人が糞だと言っていたからだ。その先入観もあり、Twitterで見た何やらその道のプロっぽい人が糞認定していたからだ。そしてその人をフォローしたことで、その人がRTしたトレンドマイクロは糞。というTweetをよく目にしたからだ。つまり因果関係のない複数の情報源から情報を得たことで、自分の中でこれは「信頼に足る情報」と認定されたわけである。

ここで注意が必要なのは、「因果関係のない複数の情報源」という点だ。

とある人をフォローしたことによって、その人のRTするツイートをよく目にし、その内容がトレンドマイクロは糞という内容であれば、それはたとえ複数のTwitterユーザーのTweetだとしても因果関係のない複数の情報源にはならない。RTする人のフィルターにかかっているからだ。

と、書いてみたがそもそも果たして「トレンドマイクロは糞」という情報が本当に正しいかどうかはわからない。そもそも「糞」というのは事実ではなくて、感想あるいは意見だ。  

専門家ではないものとしてはまず意見と事実を分けて考える必要があるな。  

サマータイムにおいては、導入が大変/頑張ればできる等の定性的な議論ではなく、具体的な数字で議論をするべきなのだと思う。  

具体的にサマータイム導入になった際に、どのシステムに変更が必要で、そのシステムの改修にはどれくらいの工数とコストがかかるのかを試算して、その対価と得られる価値を天秤にかけるという方法が良さそうだ。  

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こうしたことをやるのがディベートだと聞き及んでいる。  

落ち着いたらディベートをやってみたい。(って言ってる間は永遠にやらないだろう)